先週の話である。
滋賀県の電車に乗っていたところ、堅田駅というところで衝撃が走った…
電車のドアが手動だと!?
恐らく手動で開くというのを聞くと、ボタン式による開閉を思い浮かべるだろう。
違う……本当に扉の取っ手を掴んで開けているのだ!!
奇妙な光景の後に待っていたのは、私への挑戦だった。
人が降りたのは良いが、扉が開いたままなのである。たまたまドアの横の手摺に寄りかかっていた私は扉を閉めるべきかという問題にぶち当たった。
電車は空いており、他の人はみんな座っている。手動で開ける駅から乗る人なんて少ないのだろう、誰も乗ってこない。
すなわち、正解サンプルがない。
仮に閉めるのが正解だったとしよう。
扉の横に寄りかかっている私をみんなはよそ者だと考えるだろう。下手をすれば大都会埼玉県から来たことがばれてしまうかもしれない。
閉めないのが正解だとすれば私の行為は正解であるが、どちらにせよ半分の確率で私はよそよそ者扱いをされて大都会から来たことが発覚する恐れがある。
さんざん頭を悩ませた挙げ句、仕事中滅多に働かせない頭をフル回転させた結果、最高のパフォーマンスを得ることができた。
寒そうに振る舞いながら扉を閉め、近くの席へ移動したのだ。この行為で重要なのは「寒そうに」という部分である。
扉を閉めるのが正解の場合、私の行為は正解だろう。一方で扉を閉めないのが正解のばあい、私の行為は不正解になる。しかし、見ている人たちは「この人は寒いから扉を閉めたのだ」という極めて論理的な思考にたどり着くだろう。
この天才的考えに基づいて視聴率0の中で寒さを演じ、地元民に溶け込むことができたのだ。この経験を活かして会社でもキャラを演じることで様々な困難を乗り切ることができるだろう。
果たして閉める閉めないの正解はどっちだったのだろうか。