夏といえばホラーだよね。。。。
最近,youtubeで心霊動画を見ている。
心霊・怪奇動画はそこまで得意ではないが,なぜか画面を開いているのだ。
たぶん,画面を見る頻度が少なくなるのでちょうど良い作業用動画になるのだろう。
今日もスマホで心霊動画を流しながら,PCで作業をしていた。
僕は霊感がない体質なのか,これまで幽霊を見たことはない。
だが,1度だけ奇妙な体験をしたことがある。
たしか,大学4年生のときの夏の夜だった。
僕はバイトの後輩3人と共にバイト先のカギ閉めを行っていた。
バイト先は,とあるビルの5階だった。
カギ閉めなので夜も遅かったが,後輩が3人もいれば仕事が捗る。
5階の内部の清掃等が終わり,残る仕事は3つである。
・5階の扉の鍵を閉めてフロアの電気を消す
・2階にゴミを捨てに行く
・1階のビルの扉の鍵を閉める
その日はなぜか5階の扉を閉める前に後輩が5階の電気を消してしまい,
何も見えない暗闇の中で「扉の鍵穴が見つからんww」なんて笑い合っていた。
電気をつけ直して扉を閉め,エレベータのボタンを押してから電気を消す。
暗闇の中で,無言の4人がエレベータを待っていた。
2階にゴミを捨てに行く必要があるので,エレベータに乗って行先ボタンを2階にする。
2階に着いてエレベータが開いた時,フロアの電気は消えていた。
ゴミ捨て場はエレベータから近いので,わざわざフロアの電気をつけることもなく,後輩の1人がエレベータの開ボタンを長押しし,もう1人がエレベータ内の光を頼りにゴミを捨てに行く。
エレベータの仕様なのだろう。開ボタンを押し続けても時間が経つと扉が閉まっていく。後輩を置き去りにするフリをして扉が閉まるギリギリのときに,ゴミを捨てた後輩がエレベータに足を挟ませて扉をこじ開けて戻ってきた。
「勘弁してくださいよ~。毎回じゃないっすか」
ここまではいつもの流れであった。
ゴミ捨ても終えて帰れるからか気が緩んだのだろう。
扉が閉まった後も誰もエレベータの行先ボタンを押していなかった。
だが,エレベータの中は不思議なことに,動いてなくても動いているように錯覚する。
そのせいかエレベータの行き先ボタンが押されていないことに気が付くまで数秒かかった。
「ん?これ動いてなくね??」
みんなで笑いながら後輩が1階の行き先ボタンを押した時だった。
なぜかエレベータがゆっくりと上昇し始めたのだ。
行き先ボタンを押すのが遅いから上の人がエレベータを呼んだのだろう。
そう思ったが,このビルの3階も4階も既に閉まっているはずである。
後輩たちも「俺たちが最後のはずじゃね??」「どういうこと?」と不安感が募る。
エレベータの階数表示に示される数字が変化していく。
3,,4,,5 5階で止まった。
・・・僕たちがカギを閉めたはずの5階に。
もはやみんなパニック状態である。僕も背筋が凍っていた。
エレベータの扉がゆっくりと開き,暗闇の中にエレベータの光だけが広がる。
当然だが誰もいない。
状況を理解できていないまま茫然とする後輩に対してすぐさま,「早く扉を閉めて」と指示する。1階ボタンを押すと今度こそエレベータが下降し始めた。
エレベータが下降しているとき,誰も何も言わなかった。
ただひたすらにエレベータが1階に着くのを待っていた。
エレベータは無事1階に着き,すぐさまビルの扉も閉めて4人で駅の方向へ向かった。
重々しい雰囲気の中で「ボタンを押し忘れてたし,エレベータの仕様じゃない?」と僕が後輩3人に言い,その場はそれで納得することにした。
誰も,1階を押した途端にエレベータが上昇したとは指摘しなかった。
偶然にも4人の中で霊感がある人はおらず,なんとなく不思議な体験程度で収まっているが,もし仮に霊感があったとしたら,
エレベータから漏れ出た光の中に何を見たのだろうか。
今でもあのときのことを思い出すと背筋に寒気を感じる。